『TSUYOSHI 誰も勝てない、アイツには』は、丸山恭右・Zooによる格闘バトル漫画です。世界中の格闘家たちが「最強」を追い求めた末、必ず行き着く一人の男。その名は川端強、通称ツヨシです。
ところがツヨシは、見るからに屈強な格闘家でも、秘密組織に所属する戦士でもありません。東京・立川のコンビニでアルバイトをしながら、美大を目指している一見ごく普通の青年です。しかしその実力は常識外れ。空手家・愛之助のライバルである照さえ完全に敗北し、中国をはじめ世界各国の強者たちから狙われるようになります。
ツヨシ本人は静かに暮らしたいだけなのに、あまりにも強すぎるせいで国家レベルの勢力まで動き始める。格闘漫画らしい本格的なバトルと、「どうして普通のコンビニ店員を巡って世界がこんなことになっているんだ」というシュールな笑いが融合した、規格外の格闘エンターテインメントです。
『TSUYOSHI 誰も勝てない、アイツには』の魅力とは?
本作でまず面白いのが、主人公・ツヨシの圧倒的な強さです。格闘漫画では主人公が強敵との戦いを繰り返しながら成長していくことが多いですが、ツヨシは物語の最初から明らかにおかしいレベルで強い人物として登場します。
世界中の格闘家が人生を懸けて鍛えてきた技術も、ツヨシの前では通用しない。そのため「ツヨシは勝てるのか」よりも、「今回は相手をどう倒してしまうのか」「そもそもツヨシを本気にさせられるのか」という別の楽しみ方ができます。
しかし、単なる最強主人公の無双漫画ではありません。物語が進むほど愛之助、照、リュウをはじめとした周囲の格闘家たちにも焦点が当たり、それぞれがツヨシという巨大な壁を前にしてどう成長するのかが描かれます。
ツヨシに負けたから終わりではなく、「あの男に少しでも近づきたい」と修行を重ねる者もいれば、自分なりの強さを見つけようとする者もいます。絶対的な最強キャラクターを置くことで、むしろ周囲の人間たちの努力や成長が際立っているのが本作の面白いところです。
戦闘もかなり多彩です。空手や中国武術をはじめ、さまざまな格闘技や特殊な戦闘技術を持つ人物が登場し、「氣」のような超人的な領域へまでバトルは拡大していきます。それでも技術や戦術の違いがしっかり描かれるため、能力バトルのような派手さと格闘漫画らしい駆け引きの両方を楽しめます。
そして忘れてはいけないのが、ツヨシ自身の妙に庶民的なキャラクターです。世界各国が奪い合うほどの戦闘能力を持っているのに、本人の関心は恋愛や美大、普通の生活にも向いています。
強すぎるツヨシを兵器のように扱おうとする者たちと、ただ一人の青年として生きたいツヨシ。そのズレが作品全体のコメディにつながる一方、物語が進むと「最強であることが本人にとって本当に幸せなのか」という部分まで見えてきます。
ロシアがツヨシを狙って実力行使に出る「皆殺し編」、ツヨシの過去や家族まで掘り下げられる「世直し編」など、序盤の立川を中心とした格闘騒動から物語の規模もどんどん拡大。現在は日本の裏社会まで巻き込む「日本統一編」が展開されています。
『TSUYOSHI 誰も勝てない、アイツには』は「サイコミ」で連載中。2026年9月現在、コミックスは第31巻まで発売されており、第32巻も2026年10月に発売予定です。長期シリーズながら、ツヨシを中心に次々と新しい強者が現れ続けています。
ここからは、『TSUYOSHI』のように、常識外れに強い主人公、格闘家同士の熱い戦い、強すぎる人物と日常とのギャップ、そして「最強とは何か」を楽しめる漫画を中心に5作品紹介します。
おすすめの作品を詳しく紹介
1.『ワンパンマン』
ONE原作、村田雄介作画によるヒーローアクション漫画です。主人公・サイタマは、どんな怪人でも基本的に一撃で倒してしまう圧倒的な力を持つヒーロー。しかし本人は強くなりすぎたことで、戦いに刺激を感じられなくなっています。
周囲では命懸けの壮絶なバトルが繰り広げられているのに、サイタマが登場すると勝負が一瞬で終わってしまう。その圧倒的な強さと本人の脱力した日常とのギャップが大きな魅力です。
『TSUYOSHI』で、「主人公だけ明らかに強さの基準がおかしい」という面白さが好きだった人には特におすすめです。最強すぎる本人より、そこへ挑む周囲のキャラクターたちの成長やドラマが熱く描かれるところにもよく似ています。

2.『ケンガンアシュラ』
サンドロビッチ・ヤバ子原作、だろめおん作画による格闘漫画です。企業同士の争いを、雇われた闘技者による一対一の戦いで決着させる「拳願仕合」を舞台に、謎多き格闘家・十鬼蛇王馬が強者たちへ挑みます。
空手、プロレス、柔術、暗殺術など、まったく異なるバックボーンを持つ闘技者が次々と登場。それぞれの身体能力や技術、戦術を駆使した濃密な格闘戦が展開されます。
『TSUYOSHI』で、世界中からクセの強い格闘家が集まり、それぞれの「最強」をぶつけ合う展開が好きだった人におすすめです。誰と誰が戦ったら強いのかを想像する楽しさと、一試合ごとの迫力を存分に味わえます。
3.『刃牙』シリーズ
板垣恵介による格闘漫画シリーズです。地下闘技場の若き王者・範馬刃牙を中心に、世界中から集まった格闘家や武術家、規格外の強者たちが「誰が一番強いのか」を追い求めます。
空手や中国拳法、ボクシングなど現実に存在する格闘技を出発点にしながら、物語が進むほど戦闘は常識を超えた領域へ突入。それでも登場人物たちは大真面目に「強さ」と向き合い続けます。
『TSUYOSHI』で、理屈を超える強者たちや、強い相手を知れば戦わずにはいられない格闘家たちが好きだった人にはぴったりです。「最強」というたった一つの言葉に人生を懸ける人物たちの熱量を楽しめます。
4.『SAKAMOTO DAYS』
鈴木祐斗によるアクション漫画です。かつて裏社会で伝説と呼ばれた殺し屋・坂本太郎は、女性に一目惚れしたことをきっかけに引退。現在は家族とともに個人商店を営む、ふくよかな店主として平和に暮らしています。
ところが昔の因縁から次々と殺し屋が現れ、坂本は家族との平穏な生活を守るため再び戦うことになります。見た目は普通のおじさんなのに、動き始めれば伝説級。そのギャップを生かした戦闘が魅力です。
『TSUYOSHI』で、日常生活を送っている普通そうな人物が実はどうしようもなく強い、という設定が好きだった人におすすめです。本人は戦いを求めていないのに強者の側から寄ってくるところや、アクションとコメディのテンポにも共通点があります。

5.『ザ・ファブル』
南勝久による裏社会アクション漫画です。どんな相手でも6秒以内に仕留めると恐れられる天才殺し屋「ファブル」は、組織のボスから一年間誰も殺さず一般人として暮らすよう命じられます。
佐藤明という名前を与えられ、大阪で普通の生活を始めますが、あまりにも特殊な人生を歩んできたため一般人としての振る舞いもどこかズレています。それでもトラブルに巻き込まれれば、圧倒的な技術の片鱗を見せます。
『TSUYOSHI』で、本人は普通に暮らしたいだけなのに、その強さゆえ周囲が放っておいてくれない展開が好きだった人には非常に相性があります。最強の男の日常をコメディとして楽しみつつ、本気になった瞬間の強さにはしっかり痺れます。

まとめ
『TSUYOSHI 誰も勝てない、アイツには』は、丸山恭右・Zooによる格闘バトル漫画です。コンビニで働きながら美大を目指す普通の青年・川端強が、実は世界中の格闘家が最後に行き着く「最強の男」だったことから、本人の意思とは関係なく壮大な戦いへ巻き込まれていきます。
圧倒的に強すぎる主人公なら『ワンパンマン』、多種多様な格闘家同士の戦いなら『ケンガンアシュラ』がおすすめです。「最強」を追い求める格闘漫画の濃さなら『刃牙』シリーズ、日常生活と最強キャラのギャップなら『SAKAMOTO DAYS』、普通に暮らしたい圧倒的強者なら『ザ・ファブル』も相性抜群です。
世界中の強者が人生を懸けてたどり着いた先にいるのが、立川のコンビニで働く一人の青年。そんな強烈な設定から始まり、ツヨシを中心に国家や裏社会まで動いていくスケールの大きさが『TSUYOSHI』の面白さです。圧倒的な格闘バトルと「なんでこんなことになっているんだ」という笑いの両方にハマった人なら、今回紹介した5作品にも夢中になれるはずです。

