『大人大戦』が好きな人におすすめの漫画5選【監視社会・SNS・サバイバル】

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『大人大戦』は、『左ききのエレン』のかっぴー原作、都築真佐秋作画による社会派サバイバルドラマです。主人公は、「正しい大人になること」を何より大切にしている青年・浦島優太郎。亡き父の言葉を胸に、自ら定めた“大人憲法”を守りながら生きていました。

そんなある日、優太郎は猫を助けようとしてトラックにはねられてしまいます。ところが彼は死なず、そのまま長い眠りへ。奇跡的に目を覚ましたとき、事故からすでに15年もの歳月が流れていました。

しかも未来の日本は、優太郎が知っていた社会とはまったく別物になっています。国家公認SNS「ガーデン」が普及し、人々の日々の行動が評価され、その評価が仕事や生活、社会的な立場にまで影響する総監視社会へと変貌していました。

さらに驚くことに、その社会を作るきっかけになったのは、かつて優太郎自身が掲げていた“大人憲法”。自分が正しいと信じていた考えが、15年後には人々を縛る制度として利用されていたことを知った優太郎は、「正しい大人とは何なのか」をもう一度問い直しながら、この社会へ立ち向かっていきます。

『大人大戦』の魅力とは?

『大人大戦』でまず面白いのが、SNSの「評価」をそのまま現実社会の身分へまで拡大した世界観です。現代でも投稿への「いいね」やフォロワー数、口コミの星など、さまざまな数字で人や商品が評価されています。

本作の未来では、それがさらに極端になっています。国家公認SNS「ガーデン」での評価によって、人間そのものに優劣が付けられる。評価の高い“アッパー”と、低い“ロワー”では、社会から受けられる扱いまで変わってしまいます。

誰かに親切にすることさえ、「評価が上がるから」という理由で行われる。悪い行動をしない理由も、「誰かに見られているから」。一見すると善良な人間ばかりの社会ですが、その善意が本当に本人の意思なのかは分かりません。

そんな世界に放り込まれるのが、15年前の価値観を持ったままの浦島優太郎です。彼は評価を得るために善いことをするのではなく、自分が「こうするべきだ」と思ったから動きます。そのため、ガーデンに最適化された人々から見ると、逆に優太郎のほうが異質な存在になっています。

物語が進むと、優太郎はゴシップ誌の記者・犬飼と出会い、ガーデンそのものの闇を追い始めます。さらに幼なじみで政治家・黒田の秘書となっている安達とも再会。個人の問題に見えていた監視社会の背後に、政治や巨大企業まで関わっていることが明らかになります。

第3巻以降では、ガーデン協賛企業「大日本広告社」へ潜入するため、優太郎が就職活動やインターンへ挑戦。未来の会社で働くことになり、評価社会だけでなく、就活、営業、広告業界、パワハラなど「大人の社会」の問題まで作品へ取り込まれていきます。

このあたりからタイトルの『大人大戦』という意味もどんどん見えてきます。戦う相手は怪物でも宇宙人でもなく、社会のルール、会社、政治、世間の評価、そして「大人ならこうするべき」という価値観そのものです。

第5巻では、ガーデン協賛企業の闇を暴いた優太郎が、自ら評価をロワーへ落としたことで、ガーデン凍結審議班、通称“トーハン”から追われる立場になります。社会を正そうとすればするほど、社会から危険人物として扱われてしまうという皮肉が効いています。

ただし作品全体は、重苦しいディストピアだけではありません。章タイトルやキャラクター同士の会話にはかなりユーモアがあり、「トラックに轢かれたのに異世界転生しない」「就活が怖すぎる」といった現代的な笑いも随所に入ります。

『大人大戦』は2025年4月から「少年ジャンプ+」で連載中。2026年9月現在はコミックス第5巻まで発売されており、第6巻は2026年10月2日に発売予定です。社会風刺、サスペンス、仕事漫画、そして王道の主人公ドラマが一つになった作品です。

ここからは、『大人大戦』のように、評価や監視によって人間が縛られる社会、ネットによって生まれる集団心理、国家が決める「正しさ」、そして理不尽な世界へ一人の人間が立ち向かう漫画を中心に5作品紹介します。

おすすめの作品を詳しく紹介

1.『リアルアカウント』

渡辺静作画による、SNSを題材にしたサバイバル漫画です。巨大SNS「リアルアカウント」を利用していた人々が突如としてネット上の世界へ閉じ込められ、フォロワーやSNSの仕組みを利用した命懸けのゲームへ参加させられます。

ゲームでは、フォロワーがそのまま自分の命を左右することもあります。普段は友達だと思っていた相手が本当に自分を助けてくれるのか。ネット上で築いた人間関係は本物なのか。SNS社会の嫌な部分を極端な形で突きつけてきます。

『大人大戦』で、SNS上の数字がそのまま人間の価値へ変換される世界設定が好きだった人には特におすすめです。普段は何気なく使っているSNSの仕組みが、少し形を変えただけで恐ろしいものになるという共通した面白さがあります。

2.『イキガミ』

間瀬元朗による社会派サスペンス漫画です。作中の日本では、国民に「生命の価値」を認識させるため、「国家繁栄維持法」という法律が存在します。国民の一部はあらかじめ体内へ特殊な物質を注入され、一定の確率で若いうちに死亡します。

死の24時間前になると、対象者へ死亡予告証、通称「逝紙(イキガミ)」が届けられます。主人公の藤本賢吾は、そのイキガミを届ける仕事をしながら、この制度が本当に正しいのか疑問を持ち始めます。

『大人大戦』で、「国が決めた正しさ」に人々が従う社会や、制度そのものがおかしいのに大多数が受け入れている怖さが好きだった人におすすめです。個人の善悪ではなく、社会全体が作り上げた異常さを描いている点で相性があります。

3.『予告犯』

筒井哲也によるネット社会を題材にしたクライムサスペンスです。新聞紙のマスクをかぶった謎の男が動画サイトへ現れ、社会で問題を起こした人物への「制裁」を予告。その予告通りに事件を起こしていきます。

ネットでは彼を犯罪者として批判する人がいる一方、「悪人を代わりに裁いてくれる存在」として支持する人も現れます。事件が注目されればされるほど、世論そのものが大きな力を持つようになります。

『大人大戦』で、ネット上の評価や多数派の意見が「正義」として扱われることの危うさに惹かれた人におすすめです。「みんなが支持しているなら正しいのか」という問いを、現代社会に近い距離感で楽しめます。

4.『国民クイズ』

杉元伶一原作、加藤伸吉作画によるディストピア漫画です。作中の日本では、人気テレビ番組「国民クイズ」が国家そのものを動かす巨大な制度になっています。

クイズの勝者は、自分の願いを国家の力によって実現してもらえる。その一方で、番組と制度へ逆らうことは許されず、娯楽と政治が完全に結びついた異様な社会が形成されています。

『大人大戦』で、普通なら便利だったり楽しかったりする仕組みが、いつの間にか国家による支配システムへ変わっているところが好きだった人におすすめです。かなり過激な設定ですが、笑えるほど極端だからこそ社会風刺が強烈に伝わってきます。

5.『左ききのエレン』

『大人大戦』と同じく、かっぴー原作によるクリエイター青春漫画です。広告代理店でデザイナーとして働く朝倉光一と、圧倒的な芸術的才能を持つ山岸エレンを中心に、「才能とは何か」「仕事とは何か」を描きます。

特殊能力も監視社会も登場しません。しかし会社の評価、才能の差、出世、仕事への責任、理想と現実など、大人になってから直面するさまざまな問題が真正面から描かれます。

『大人大戦』で、社会風刺だけでなく「立派な大人とは何なのか」「働くとはどういうことなのか」という部分に惹かれた人には特におすすめです。同じかっぴー作品らしく、大人が仕事や社会の中でどう生きるかという問いに熱量があります。

『左ききのエレン』が好きな人におすすめの漫画5選【広告・創作・才能】
『左ききのエレン』が好きな人におすすめの似てる漫画を5作品紹介。凡人のデザイナー・朝倉光一と天才画家・山岸エレンを中心に、才能への憧れや挫折、クリエイターの仕事を描く、『左ききのエレン』みたいな漫画を探している人にぴったりの作品を厳選しました。

まとめ

『大人大戦』は、かっぴー原作、都築真佐秋作画による社会派サバイバルドラマです。猫を助けるため事故に遭った浦島優太郎が15年後に目覚めると、かつて自分が掲げた“大人憲法”をきっかけに、日本は国家公認SNS「ガーデン」によって人間の価値まで評価される総監視社会へ変わっていました。

SNSの数字が人間の価値になる恐怖なら『リアルアカウント』、国家が決めた「正しさ」へ疑問を投げかける作品なら『イキガミ』がおすすめです。ネット世論と正義なら『予告犯』、娯楽と国家によるディストピアなら『国民クイズ』、仕事や社会の中で「大人とは何か」をさらに掘り下げたいなら同じかっぴー原作の『左ききのエレン』も相性抜群です。

評価されること自体が悪いわけではありません。しかし評価されるために善い人を演じ、数字が下がることを恐れて本音まで隠すようになったら、それは本当に正しい社会なのか。『大人大戦』で浦島優太郎が問い続ける「正しい大人とは何か」に惹かれた人なら、今回紹介した5作品にも、当たり前だと思っていた社会を少し違う角度から見る面白さが待っています。

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