漫画を描くことが楽しい。誰かに認められたい。そして、もっと上手くなりたい――。
藤本タツキの『ルックバック』は、漫画を描く二人の少女・藤野と京本の出会いを通して、創作への情熱や友情、人生の喪失と後悔を描いた物語です。
一冊というコンパクトな作品でありながら、何かを作り続けることの喜びや苦しさ、誰かとの出会いによって人生が変わっていく瞬間が凝縮されています。
今回は『ルックバック』が好きな人におすすめしたい、創作・青春・友情・喪失を描いた漫画を5作品紹介します。
『ルックバック』の魅力とは?
『ルックバック』の大きな魅力は、「なぜ自分は描き続けるのか」という創作者の感情を、二人の少女の人生を通して描いているところです。
小学4年生の藤野は、学年新聞で4コマ漫画を連載し、周囲から絵の上手さを褒められていました。
しかし、同じ新聞に不登校の同級生・京本の漫画が掲載されたことで状況が変わります。
京本の圧倒的な画力を目にした藤野は、自分との差を突きつけられ、猛烈に絵の練習を始めます。
やがて漫画をきっかけに藤野と京本は出会い、二人で作品を作るようになります。
誰かに負けたくないという気持ち、上手くなりたいという欲求、自分の作品を喜んでくれる人がいる嬉しさ。創作を経験したことがある人なら覚えのある感情が、二人の関係を通して描かれていきます。
しかし『ルックバック』は、単純な漫画家の成功物語ではありません。
人生には自分の努力だけではどうにもならない出来事があり、その中で「もしあのとき違う選択をしていたら」と考えてしまう後悔も描かれます。
それでも最後に残るのは、描くという行為そのもの。一冊の中に創作する喜びと苦しさ、友情、喪失まで詰め込まれていることが、『ルックバック』の大きな魅力です。
おすすめの作品を詳しく紹介
1.『これ描いて死ね』
漫画を描くことそのものを題材にした青春物語が好きなら『これ描いて死ね』がおすすめです。
漫画を読むことが大好きな高校生・安海相は、ある出来事をきっかけに自分自身で漫画を描く世界へ足を踏み入れていきます。
読む側だった少女が、実際に作品を作ることで、漫画を完成させる難しさや楽しさを知っていくところが魅力です。
仲間と一緒に作品を作ったり、自分が表現したいものについて悩んだりと、創作を通して成長していく姿が描かれています。
『ルックバック』で藤野と京本が漫画を描くことに夢中になる姿が好きだった人には、特におすすめです。

2.『ブルーピリオド』
才能と努力、そして「好きなことを続ける」というテーマに惹かれたなら『ブルーピリオド』がおすすめです。
成績もよく友人関係にも恵まれていた高校生・矢口八虎は、一枚の絵との出会いをきっかけに美術の世界へ惹かれていきます。
しかし、本気で美術を目指すようになると、自分より上手い人や才能のある人たちと何度も出会うことになります。
努力すれば必ず報われるわけではない世界で、それでも自分が表現したいものを探し続ける姿が丁寧に描かれています。
『ルックバック』の「上手くなりたいから描き続ける」という創作者の感情に共感した人におすすめです。

3.『おやすみプンプン』
青春の美しさだけではなく、人生の喪失や後悔まで描いた作品を読みたいなら、浅野いにおの『おやすみプンプン』がおすすめです。
少年・プンプンの成長を追いながら、家族、恋愛、人間関係、孤独、将来への不安などが描かれていきます。
子どものころに思い描いていた未来と、実際の人生は必ずしも同じものにはなりません。
選択を間違えたり、誰かを傷つけたり、「あのとき違う行動をしていたら」と考えたりしながら人生は進んでいきます。
『ルックバック』の後半で感じる喪失や後悔、人生の取り戻せなさが印象に残った人におすすめです。

4.『素晴らしい世界』
普通の人たちの人生や、日常の中にある小さな選択を描いた漫画が好きなら、浅野いにおの『素晴らしい世界』がおすすめです。
夢、仕事、人間関係など、それぞれ異なる問題を抱えている若者たちの物語が描かれます。
人生を劇的に変える答えが簡単に見つかるわけではありません。それでも人は誰かと出会い、失敗しながら毎日を生きていきます。
複数の物語が少しずつつながっていく構成も特徴で、一つひとつの人生が同じ世界の中に存在していることを感じさせます。
『ルックバック』の短い物語の中に人生そのものを感じさせる部分が好きだった人におすすめです。

5.『さよなら絵梨』
『ルックバック』を読んで藤本タツキの短編作品をもっと読みたくなったなら、『さよなら絵梨』は外せません。
主人公の優太は、病気の母親から自分の最期まで撮影してほしいと頼まれ、日常をカメラに記録するようになります。
その経験をもとに一本の映画を作りますが、作品に対する周囲の反応をきっかけに、優太の人生は新しい方向へ動き始めます。
現実と創作の境界を意図的に曖昧にしながら、「作品として何を残すのか」というテーマが描かれていきます。
『ルックバック』の創作というテーマや、一冊を読み終えたあとに何度も物語について考えたくなる感覚が好きな人には特におすすめです。

『ルックバック』好きにおすすめの漫画まとめ
『ルックバック』が好きな人には、創作そのものを描いた作品だけではなく、青春や友情、喪失、人生の選択を短い物語の中に凝縮した漫画もおすすめです。
- 漫画を作る青春なら『これ描いて死ね』
- 才能と努力、表現する苦しさなら『ブルーピリオド』
- 青春と人生の喪失や後悔なら『おやすみプンプン』
- 日常の中にある人生を描いた作品なら『素晴らしい世界』
- 藤本タツキの創作と短編をもっと味わうなら『さよなら絵梨』
特に『さよなら絵梨』は『ルックバック』と同じ藤本タツキによる作品で、創作と人生を重ねながら一冊で強烈な読後感を残すという点でもおすすめです。
『ルックバック』を読んで、もっと創作する人の情熱や青春、喪失、心に長く残る物語を読みたくなった人は、気になった作品から読んでみてください。

