『クローズ』が好きな人におすすめの漫画5選【熱い不良・ヤンキー漫画】

アクション

『クローズ』を「喧嘩が強い高校生たちの漫画」とだけ説明すると、この作品の面白さのかなりの部分が抜け落ちる。

もちろん坊屋春道は強い。鈴蘭男子高校を中心に、武装戦線をはじめとするさまざまな勢力がぶつかり合い、誰が強いのかという興味も物語を引っ張っていく。ただ、『クローズ』を読み続けたくなる理由は、ランキングのように強さを比べることだけではない。

春道は人の上に立つために戦っているわけではなく、組織を大きくすることにも興味が薄い。そんな男が、喧嘩を通して他人の意地や覚悟を知り、いつの間にか周囲から一目置かれていく。敵と味方が固定されず、「こいつとは合わない。でも認める」という関係が増えていくところに独特の気持ちよさがある。

今回はその感覚を基準に、同じ世界をもっと見たい人、春道のような規格外の主人公が好きな人、仲間との関係が好きな人、笑える不良の日常が好きな人、もっと危険な抗争を読みたい人へ向けて5作品を選んだ。

『クローズ』の魅力とは?

物語の中心となる坊屋春道は、不良が集まることで知られる鈴蘭男子高校へやって来る。鈴蘭には学校全体を完全にまとめ上げた絶対的な番長がおらず、それぞれに力を持った男たちが存在している。

普通の不良漫画なら、主人公が学校の頂点を目指し、強敵を一人ずつ倒していく話になりそうな設定だ。ところが春道本人は、その序列にあまり執着しない。

強い相手とは戦う。仲間がやられれば腹を立てる。気に入らないことがあれば自分の判断で動く。しかし「鈴蘭を支配したい」という野心を行動原理にはしない。この掴みどころのなさが、春道を単なる最強主人公とは違う存在にしている。

そして『クローズ』では、主人公以外の男たちにもそれぞれの格がある。誰かに負けたから、その人物の価値までなくなるわけではない。自分が所属するチームを背負う者、仲間を守るために退かない者、春道とは違う形で頂点を目指す者。それぞれが自分なりの「格好悪いことはしたくない」という線を持っている。

だから敵対勢力との喧嘩も、単純な善悪の対決にはなりにくい。戦う前は嫌な相手に見えていた人物が、決着したあとには妙に好きになっていることがある。殴り合ったことで相手の本気が分かり、関係そのものが変化する。この独特の距離感が『クローズ』の大きな持ち味だ。

もう一つ重要なのが、喧嘩ばかりなのに作品全体が必要以上に陰惨ではないこと。くだらない会話で笑い、仲間と遊び、格好をつけて失敗する。そんな高校生らしい時間があるから、本気の衝突になったときの緊張も際立つ。

物語を動かしているのは、出世や金ではなく、意地、友情、面子、そして「あいつには負けたくない」という極めて個人的な感情だ。読み終えたあとに残るのも「誰が最強だったか」だけではない。妙に格好いい男が何人も頭に残る。そこまで含めて『クローズ』だ。

おすすめの作品を詳しく紹介

1.『WORST』

『クローズ』を読み終えて「まだ鈴蘭やこの街から離れたくない」と思ったなら、まず『WORST』でいい。

高橋ヒロシが描く同じ世界を舞台に、鈴蘭へ入学した月島花が新たな中心人物となる。花は春道とは性格も目標も違い、鈴蘭初の番長になることを堂々と目指す。この違いがあるため、続編だからといって『クローズ』をそのまま繰り返す作品にはなっていない。

春道が組織の外側に立つことで周囲を動かした男なら、花は人と関わり、人を集めながら頂点へ向かっていく。そのため『WORST』では、個人の強さだけでなく世代交代、派閥、チーム同士の関係がさらに見えやすくなる。

それでも、強敵を倒したら相手が単なる敗者になるわけではないという高橋ヒロシ作品らしい感覚は健在だ。『クローズ』でポン、マコ、ヒロミや武装戦線など、春道以外の人物まで好きになった人ほど入りやすい。

同じ街が次の世代へ受け継がれていくので、読後には「物語が終わっても、この世界ではまだ誰かが喧嘩している」という楽しさが残る。

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2.『QP』

『クローズ』の中でも、喧嘩そのものより高橋ヒロシが描く「強い男はどう生きるのか」という部分に惹かれたなら『QP』を選びたい。

主人公は、かつて伝説的な不良として恐れられた“キューピー”こと石田小鳥。青春時代を喧嘩と抗争の中で過ごした男が、その先の人生へ進もうとするところから物語が始まる。そして小鳥の親友・我妻涼は、彼とは違う方向へ進んでいく。

ここで描かれるのは、「喧嘩が強ければ全部うまくいく」という世界ではない。圧倒的な強さを持っていても、それだけでは仕事も幸福も手に入らない。友人同士だった人間が違う道を選び、その選択が関係を変えていく。

高校生活の真っ只中を描く『クローズ』に対して、『QP』は青春の暴力をその先の人生から見つめる色が濃い。だから春道の軽快さをそのまま求める作品ではない。

一方で、阪東秀人や武田好誠のような「強さだけでは説明できない男の格好よさ」が好きだった人にはかなり合う。読み終えたあとには爽快感より、「強いって結局どういうことだろう」という重さが残る。

3.『ろくでなしBLUES』

坊屋春道の「とにかく強いのに、妙に人間臭い主人公」が好きなら、前田太尊を中心とする『ろくでなしBLUES』が面白い。

帝拳高校へ入学した太尊は、勝嗣や米示たちとともに騒動へ巻き込まれていく。喧嘩では簡単に引かない一方、短気で失敗もするし、恋愛では格好よく決まらない。無敵の記号ではなく、強さと情けなさが同居している。

『クローズ』との大きな接点は、主人公だけでなくライバル側にも「こいつにはこいつの筋がある」と思わせることだ。強敵との対立が続いても、相手を悪役として処理するのではなく、それぞれのプライドをぶつける物語になる。

ただし太尊にはボクシングという明確な夢がある。春道がその瞬間を自由に生きるタイプなのに対して、太尊には将来へ続く一本の道があるため、青春漫画としての成長も強い。

『クローズ』のタイマン、友情、笑える日常を全部欲しいけれど、そこにもう少し恋愛や夢も加えたい人向け。荒っぽい出来事のあとに、意外とまっすぐな青春の余韻が残る。

『ろくでなしBLUES』が好きな人におすすめの漫画5選【ヤンキー・喧嘩・青春】
『ろくでなしBLUES』が好きな人におすすめの似てる漫画を5作品紹介。プロボクサーを目指す前田太尊と仲間たちの喧嘩、友情、恋愛、東京四天王との激闘を楽しめる、『ろくでなしBLUES』みたいな漫画を探している人にぴったりの作品を厳選しました。

4.『今日から俺は!!』

『クローズ』の日常パートや、怖そうな男たちが馬鹿なことで盛り上がっている場面まで好きだった人には『今日から俺は!!』が合う。

転校を機にツッパリになる三橋貴志と、同じく転校生の伊藤真司。二人はコンビとして行動するが、性格はかなり違う。伊藤が正面から筋を通そうとするのに対し、三橋は勝つためなら頭もずるさも使う。この対照的な二人の関係が作品のエンジンになっている。

『クローズ』でも、喧嘩の強さと人間としての面白さは別物ではなかった。『今日から俺は!!』はその「不良なのに一緒にいると妙に楽しそう」という部分を大きく膨らませた作品と考えると近い。

もちろん緊迫した喧嘩もあるが、基本の温度はずっとコメディ寄り。勢力図やチーム抗争を追う面白さより、三橋と伊藤が次に何をやらかすのかを見る面白さが勝る。

春道が真面目な空気を一言で壊してしまう場面が好きだった人には特におすすめしやすい。読み終えたときには、「こんな高校生活なら少し楽しそうだ」と思わせる賑やかな後味が残る。

『今日から俺は!!』が好きな人におすすめの漫画5選【ヤンキー・喧嘩・青春コメディ】
『今日から俺は!!』が好きな人におすすめの似てる漫画を5作品紹介。卑怯を武器にする三橋貴志と正義感の強い伊藤真司による喧嘩、友情、恋愛、笑いが詰まった青春を楽しめる、『今日から俺は!!』みたいな漫画を探している人にぴったりの作品を厳選しました。

5.『OUT』

反対に、『クローズ』のチーム抗争や男同士の緊張を、もっと危険で後戻りしにくい世界まで進めてみたいなら『OUT』が候補になる。

17歳の井口達也は地元を離れ、新しい土地で仲間たちと出会う。そこから複数の不良グループや、それぞれが抱える因縁に深く関わっていく。

『クローズ』と同じく、チームにはトップだけでなく副総長や周囲のメンバーがおり、「誰と誰がつながっているのか」が抗争の面白さにつながる。また敵側にも事情や仲間への感情があるため、単純な正義対悪には収まらない。

ただし暴力の扱いはかなり違う。『クローズ』には殴り合ったあと再び日常へ戻れる軽やかさがあるが、『OUT』では一度の判断が長く尾を引き、抗争が人間関係そのものを壊していくこともある。

鈴蘭と武装戦線のように、集団同士が一触即発になる緊張が好きだった人、さらに危険度の高い不良漫画へ進みたい人に向いている。読後に残るのは憧れだけではなく、「この世界に入ったら簡単には降りられない」という怖さだ。

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まとめ

『クローズ』の次に何を読むかは、坊屋春道や鈴蘭のどこが好きだったかで決めると失敗しにくい。

同じ世界をそのまま先へ進みたいなら『WORST』。高橋ヒロシが描く「強さのその先」をもっと重く読みたいなら『QP』。春道のように強くて人間臭い主人公とライバルたちの青春なら『ろくでなしBLUES』が近い。

喧嘩だけでなく馬鹿騒ぎまで含めた不良の日常が好きなら『今日から俺は!!』。チーム同士の抗争や因縁を、より危険で現代的な空気の中で読みたいなら『OUT』を選びたい。

『クローズ』では、一番強い男が必ずしも一番偉いわけではない。群れない春道、仲間を背負う男、頂点を目指す男。それぞれ違う生き方をしているのに、曲げたくない一本の線だけは持っている。

だから最後に残るのは勝敗表ではなく、「あいつ格好よかったな」と思える男たちの顔だ。その感覚を次の漫画でも求めるなら、自分が『クローズ』の誰を好きだったかから選んでみると、かなり相性を絞り込める。

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