『バーサス』は、ONE原作、あずま京太郎作画による、人類と圧倒的な「天敵」たちの戦いを描いたバトルファンタジーです。魔族によって追い詰められた世界では、人類が勇者たちを送り出して大魔王たちの討伐を目指します。しかし、敵との力の差はあまりにも大きく、人類の力だけで正面から勝利するのは絶望的な状況でした。
そんな世界へ、まったく別の脅威によって滅亡寸前となった異世界の人類が現れたことで、物語は予想外の方向へ進んでいきます。さらに複数の世界が混ざり合い、それぞれの世界で人類を追い詰めていた「天敵」まで同じ舞台に集結。魔族だけではない、性質も強さも異なる規格外の存在たちがぶつかり合う壮大な戦いが始まります。
『バーサス』の魅力とは?
最大の魅力は、「人類が修行して強くなり、強敵を倒す」という王道バトルとは違った発想です。本作に登場する天敵は、人間が少し強くなった程度ではどうにもならない存在ばかり。そこで人類は、自分たちの力だけで天敵を倒すのではなく、異なる天敵同士をぶつけることで生き残る道を探していきます。
しかも、それぞれの天敵が持っている脅威の性質はまったく違います。圧倒的な戦闘能力を誇る存在もいれば、巨大な身体や数、科学技術、生態そのものによって人類を脅かす存在もいます。「こちらの世界では絶対に勝てなかった敵が、別の世界の天敵と遭遇したらどうなるのか」という予測不能な組み合わせが次々に生まれます。
昨日まで人類にとって絶望そのものだった存在が、さらに別の怪物と遭遇した瞬間に立場を変えることもあります。そのため、新しい天敵が登場するたびに単純な絶望だけではなく、「こいつを別の天敵にぶつけたらどうなる?」という期待まで生まれるのが面白いところです。強さの基準が何度も更新されていく展開には、怪獣映画やクロスオーバー作品を見るような興奮があります。
さらに、人類滅亡寸前という非常にシリアスな設定でありながら、ONE作品らしい独特のユーモアが入るのも魅力です。絶望的な状況と妙におかしな登場人物たちのやり取りが同居しているため、重い世界観でもテンポよく読み進められます。
ここからは、『バーサス』のように圧倒的な敵との戦い、人類存亡を懸けたサバイバル、規格外の存在同士の激突を楽しめる漫画を中心に5作品紹介します。
おすすめの作品を詳しく紹介
1.『ワンパンマン』
趣味でヒーローを始めたサイタマが、どんな強敵でも一撃で倒してしまうほどの力を手に入れ、次々と現れる怪人や災害級の脅威と関わっていくバトル漫画です。『バーサス』と同じくONEが原作を手掛けています。
さまざまな能力や特徴を持った怪人とヒーローが登場し、戦いの組み合わせによって力関係が大きく変わるのが魅力です。圧倒的な強者が登場したと思った直後、さらに常識外れの存在が現れることもあり、強さのスケールがどんどん拡大していきます。
そして何より、巨大な脅威を描くシリアスなバトルと、思わず力が抜けるようなギャグを同居させる感覚が『バーサス』とよく似ています。ONE作品ならではのテンポや強者同士の激突が好きなら、特におすすめです。

2.『進撃の巨人』
巨大な壁に囲まれた世界で暮らす人類が、人間を捕食する巨人との生存競争を繰り広げるダークファンタジーです。圧倒的な力を持つ存在によって人類の生存圏が奪われ、いつ滅ぼされてもおかしくない状況から物語が始まります。
人間側と敵との力の差が大きく、「こんな相手にどうやって勝つのか」という絶望感は『バーサス』と非常に相性があります。力だけで突破するのではなく、敵について情報を集め、弱点や性質を理解し、限られた戦力を使って生き残ることが重要になります。
さらに物語が進むほど、それまで信じていた世界の構造や敵についての認識そのものが変化していきます。『バーサス』で、新しい世界や天敵が登場するたびに常識がひっくり返される感覚が好きな人にもおすすめです。

3.『怪獣8号』
怪獣が日常的に出現する日本を舞台に、防衛隊員になる夢を諦めかけていた日比野カフカが、ある出来事をきっかけに自ら怪獣へ変身する力を持ってしまうところから始まるバトル漫画です。
人間を遥かに上回る巨大な生物が社会そのものを脅かしている世界観が特徴で、怪獣によって能力や危険度も異なります。人類側も特殊な装備や作戦を駆使して対抗するため、巨大な脅威に人間がどう立ち向かうのかという面白さを存分に味わえます。
特に、規格外の存在が戦場へ乱入したことで、それまでの力関係が一瞬で変化する展開が好きな人とは相性抜群です。『バーサス』の巨大生物や、人類では到底対抗できない天敵たちの迫力に惹かれた人におすすめします。

4.『GANTZ』
死んだはずの人間たちが謎の黒い球体「GANTZ」のある部屋へ集められ、正体不明の星人たちとの命懸けの戦いを強制されるSFサバイバル漫画です。
登場する敵はそれぞれ外見も能力も大きく異なり、人間側の常識がまったく通用しない存在も珍しくありません。弱そうに見えた相手が想像を遥かに超える力を持っていたり、戦いの途中でさらに恐ろしい存在が現れたりと、最後まで安全だと思える瞬間がほとんどありません。
物語が進むにつれて戦いの規模も急激に大きくなり、人類そのものが存亡の危機へ追い込まれていきます。『バーサス』の「人間より遥かに強い存在がいくつも存在する世界」や、何が起こるか分からない絶望的な戦場が好きならおすすめです。

5.『ダンジョン飯』
ダンジョンの奥でレッドドラゴンに妹を食べられてしまったライオスが、仲間たちと救出へ向かうファンタジー漫画です。食料を用意する余裕がない一行は、ダンジョンに生息する魔物を調理しながら奥深くへ進んでいきます。
一見するとグルメコメディですが、魔物の生態や種族同士の関係、ダンジョンを成立させている仕組みまで緻密に作り込まれているのが特徴です。生物にはそれぞれ異なる性質があり、その特徴を理解することが攻略にもつながっていきます。
『バーサス』で面白いのも、それぞれ異なるルールを持つ天敵が同じ世界に集まったことで生まれる「相性」です。単純な戦闘力だけでは決まらない異種族や生物同士の関係、作り込まれたファンタジー世界そのものを楽しみたい人には『ダンジョン飯』もおすすめです。

まとめ
『バーサス』は、魔族との王道ファンタジーバトルから始まりながら、複数の世界と複数の天敵をひとつの舞台へ集めることで、先の読めない戦いを作り出している作品です。人類では勝てないほど強い敵を、さらに別の天敵へぶつけるという発想によって、「絶望的に強い敵が登場するほど面白くなる」という独特の構造が生まれています。
ONEらしい規格外のバトルと笑いなら『ワンパンマン』、圧倒的な敵に追い詰められる人類の戦いなら『進撃の巨人』、巨大な脅威との王道バトルなら『怪獣8号』がおすすめです。さらに容赦のないSFサバイバルなら『GANTZ』、異なる生物や能力の相性を楽しみたいなら『ダンジョン飯』も相性があります。
「人類では到底倒せない敵同士が戦ったら、いったいどちらが勝つのか」。そんな規格外の強者同士がぶつかり、世界の力関係が次々と変わっていく予測不能な物語が好きなら、ぜひこの5作品も読んでみてください。

