『わにとかげぎす』が好きな人におすすめの漫画5選【孤独・恋愛・人間ドラマ】

ヒューマンドラマ

『わにとかげぎす』は、古谷実による、孤独な男の人生再出発を描いた青年漫画です。主人公の富岡ゆうじは32歳。スーパーの深夜警備員として働きながら、友人も恋人もいない生活を送っています。これまで人との関わりを避けるように生きてきた彼は、ある夜、自分が孤独な人生を送ってきたことを改めて自覚します。

「友達が欲しい」と願い、これまでとは違う人生を歩こうと決意する富岡。しかし、人と関わろうとした途端、彼の日常にはさまざまな出来事が入り込んできます。さらに、隣人の羽田梓との出会いによって恋愛にも巻き込まれていくことに。冴えない男の再出発を描く物語でありながら、古谷実らしい笑い、不安、暴力、狂気まで混ざり合っていく独特の作品です。

『わにとかげぎす』の魅力とは?

大きな魅力は、「今まで何もしてこなかった人間でも、ここから人生を変えられるのか」という切実なテーマです。富岡は特別な才能を持った人物ではありません。人付き合いが苦手で、自信もなく、自分の人生に大きな期待もしていない。それでも孤独に気づいたことで、「このままでは嫌だ」と初めて動き始めます。

そんな富岡の姿は情けなくもありますが、どこか他人事とは思えないリアリティがあります。友達を作りたいのにどう接すればいいのか分からない。女性から好意を向けられても素直に受け止められない。幸せになりたいはずなのに、自分から幸せを遠ざけてしまう。人間の不器用さが笑いと寂しさの両方を伴って描かれています。

羽田との関係も本作の大きな読みどころです。恋愛経験に乏しい富岡に対し、羽田はかなり積極的。ところが二人の関係は、典型的な恋愛漫画のように順調には進みません。互いの価値観や思い込みがぶつかり、奇妙な距離感のまま少しずつ関係が変わっていきます。

さらに『わにとかげぎす』は、穏やかな人生再出発の物語だけでは終わりません。笑える会話を読んでいたはずなのに、突然不穏な出来事が入り込み、物語の空気が変わることがあります。この日常と異常の境目のなさは、『ヒミズ』や『ヒメアノ~ル』などにも通じる古谷実作品ならではの魅力です。

ここからは、『わにとかげぎす』のように、冴えない大人の孤独や人生のやり直し、不器用な恋愛、人間の情けなさと優しさ、そして日常の裏にある不穏さを楽しめる漫画を中心に5作品紹介します。

おすすめの作品を詳しく紹介

1.『ヒメアノ~ル』

『わにとかげぎす』と同じ古谷実によるクライムサスペンスです。主人公の岡田進はビル清掃会社で働きながら、特に目標もない日々を過ごしています。同僚の安藤から恋愛相談を持ちかけられたことをきっかけに、岡田の平凡だった生活が少しずつ変化していきます。

序盤には冴えない男たちの会話や恋愛をめぐる笑える場面も多く、「普通の若者の日常」を描いた作品にも見えます。しかし、そのすぐそばでは森田正一という危険な人物をめぐる物語が進み、やがて二つの世界が交差していきます。

『わにとかげぎす』で、古谷実ならではの情けない男たちの会話や、笑える日常が突然不穏な方向へ転がっていく展開が好きな人には特におすすめです。犯罪サスペンスの色はさらに濃くなりますが、日常と狂気が隣り合わせにある感覚はよく似ています。

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2.『ボーイズ・オン・ザ・ラン』

花沢健吾による、冴えない会社員・田西敏行の恋愛と人生を描いた青年漫画です。仕事も恋愛も思うようにいかず、自分に自信を持てない田西が、失敗や挫折を繰り返しながら必死に前へ進もうとします。

主人公が格好よく問題を解決していく作品ではありません。思い込みで暴走したり、情けない失敗をしたり、後悔したりすることも多く、その姿は見ていて苦しくなるほどです。それでも「このままでは終わりたくない」と行動する姿には、不思議と応援したくなる魅力があります。

『わにとかげぎす』で、人生経験の少ない富岡が人と関わろうと悪戦苦闘する姿が好きな人におすすめです。恋愛をきっかけに、それまで止まっていた男の人生が動き始めるという点でも共通しています。

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3.『住みにごり』

たかたけしによる、仕事を辞めて実家へ戻ってきた青年・末吉と、その家族を描いた作品です。父、母、姉、そして長年無職で実家にいる兄・フミヤ。ごく普通の家庭にも見えますが、家の中には最初から説明しにくい重苦しさが漂っています。

登場人物は格好いい人間ばかりではなく、それぞれに弱さや情けなさを抱えています。何気ない会話には笑えるところもあるのに、少し読み進めるだけで急に笑えなくなる。その絶妙な空気の変化が魅力です。

『わにとかげぎす』で、冴えない人間たちのリアルな日常と、その裏側に潜んでいる不穏さの組み合わせが好きな人におすすめです。「この先何か嫌なことが起こりそう」という予感を抱えながら読み進める感覚にも通じるものがあります。

『住みにごり』が好きな人におすすめの漫画5選【家族・人間ドラマ・サスペンス】
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4.『アイアムアヒーロー』

花沢健吾による、冴えない漫画家アシスタント・鈴木英雄を主人公にしたサバイバル漫画です。35歳の英雄は仕事にも恋愛にも自信を持てず、妄想を抱えながら何とか日々を過ごしています。しかし、街で異変が起こり始めたことで、それまでの日常は一変します。

大きな事件が起こるまでの生活描写が非常に細かく、英雄の劣等感や孤独、恋人との関係などがじっくり描かれます。そのため、異常事態が始まったときに「普通の日常が壊れた」という感覚が強烈に伝わってきます。

『わにとかげぎす』で、社会の中心から少し外れた場所にいる男性主人公や、冴えない人間の内面をリアルに描くところが好きな人におすすめです。ジャンルは大きく異なりますが、平凡な男が予想もしなかった世界へ放り込まれる面白さがあります。

5.『アンダーニンジャ』

花沢健吾による、現代日本に今も忍者が存在しているという設定から始まるアクション・サスペンスです。主人公の雲隠九郎は、仕事もなくアパートで暮らしている冴えない忍者。そんな彼のもとに、ある日突然仕事の依頼が舞い込みます。

現代社会の生活感あふれる風景と、忍者同士の戦いや巨大な組織をめぐる物語が何の前触れもなく同居しているのが特徴です。登場人物同士の脱力した会話には笑える一方で、突然命が奪われるような緊張感もあります。

『わにとかげぎす』で、普通なのか異常なのか分からない独特の空気感や、冴えない主人公が思いがけない出来事へ巻き込まれていく展開が好きな人におすすめです。シュールな笑いと危険な世界が自然に混ざり合う作品を読みたい人にも向いています。

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『アンダーニンジャ』が好きな人におすすめの似てる漫画を5作品紹介。現代社会に潜む忍者、シュールな笑い、突然始まる命懸けの戦いを楽しめる、『アンダーニンジャ』みたいな漫画を探している人にぴったりの作品を厳選しました。

まとめ

『わにとかげぎす』は、友人も恋人もいない32歳の富岡ゆうじが、自分の孤独に気づき、「ここから人生を変えたい」と動き始める物語です。人との付き合い方さえよく分からない男が、友情や恋愛を求めて不器用に進んでいく。その姿には笑えるところもあれば、胸に刺さるような寂しさもあります。

古谷実らしい日常と狂気の組み合わせなら『ヒメアノ~ル』、冴えない男の恋愛と人生の再出発なら『ボーイズ・オン・ザ・ラン』がおすすめです。笑いのすぐ隣にある不穏さなら『住みにごり』、孤独な男の日常が一変する物語なら『アイアムアヒーロー』、脱力した日常と危険な世界が入り混じる作品なら『アンダーニンジャ』も楽しめます。

人生を変えたいと思っても、人間は急に別人にはなれません。それでも誰かと出会い、失敗し、傷つきながら少しずつ変わっていく。『わにとかげぎす』で、そんな不器用な人間の生き方や、笑いと寂しさと不穏さが混ざり合う独特の世界に惹かれた人なら、ぜひ今回紹介した5作品も読んでみてください。

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