『ボーイズ・オン・ザ・ラン』が好きな人におすすめの漫画5選【恋愛・挫折・人生再起】

ヒューマンドラマ

『ボーイズ・オン・ザ・ラン』は、花沢健吾による、冴えない会社員の恋愛と挫折、そして人生の再起を描いた青年漫画です。主人公の田西敏行は、玩具メーカーに勤める27歳の会社員。仕事に特別なやりがいがあるわけでもなく、恋愛にも自信がなく、自分の人生にどこか物足りなさを感じながら毎日を過ごしています。

そんな田西が、同僚の女性への恋をきっかけに、それまで避けてきた現実と向き合うことになります。しかし、漫画の主人公だからといって急に格好よくなれるわけではありません。思い込み、嫉妬し、失敗し、傷つき、ときには見ているこちらまで恥ずかしくなるような行動も取る。それでも必死に前へ進もうとする田西の姿が、本作最大の魅力です。

『ボーイズ・オン・ザ・ラン』の魅力とは?

大きな魅力は、主人公を決して理想的な人物として描いていないところです。田西は恋愛上手でもなければ、仕事のできるエリートでもありません。劣等感を抱え、他人と自分を比べ、自信を失いながら生きています。だからこそ、彼が抱く嫉妬や焦り、情けなさには妙なリアリティがあります。

恋愛も、爽やかなラブストーリーとは大きく異なります。好きな人に振り向いてもらいたいという純粋な気持ちの中に、欲望や独占欲、プライドまで混ざっている。自分では正しいと思って行動したことが裏目に出ることもあり、「恋をすれば人間は成長する」という単純な物語にはなっていません。

それでも田西が完全に諦めないところに、本作の熱さがあります。格好悪い自分を思い知らされても、何度も立ち上がろうとする。勝てる保証がなくても、自分なりに戦おうとする。その泥臭さが、物語が進むにつれて少しずつ胸に響いてきます。

また、花沢健吾らしい「普通の人間」を描く視点も印象的です。登場人物はそれぞれ弱さや欲望を抱えており、善人と悪人だけできれいに分けられません。笑えるほど情けない日常と、胸が痛くなるほど生々しい人間関係が混ざり合うことで、きれいごとでは済まない青春と人生が描かれています。

ここからは、『ボーイズ・オン・ザ・ラン』のように、冴えない主人公の恋愛や孤独、劣等感、挫折を描きながら、それでも人生を変えようともがく姿を楽しめる漫画を中心に5作品紹介します。

おすすめの作品を詳しく紹介

1.『わにとかげぎす』

古谷実による、孤独な男の人生再出発を描いた青年漫画です。32歳の富岡ゆうじは、スーパーの深夜警備員として働きながら、友人も恋人もいない毎日を過ごしています。しかしある夜、自分が孤独な人生を送ってきたことを強く意識し、「友達が欲しい」と願うようになります。

人との付き合いに慣れていない富岡は、人生を変えようとしても何をすればいいのか分かりません。さらに隣人の羽田梓との出会いによって恋愛まで始まり、それまで静かだった生活が思いもよらない方向へ動いていきます。

『ボーイズ・オン・ザ・ラン』で、恋愛経験に乏しい男性が突然人生を変えようともがく姿が好きな人には特におすすめです。田西と富岡はタイプこそ違いますが、格好悪さを隠さず描きながら、それでも人とつながろうとするところに共通した魅力があります。

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2.『ヒミズ』

古谷実による、孤独な中学生・住田祐一を主人公にした青春漫画です。住田が望んでいるのは、特別な成功ではありません。ただ普通に生き、普通の大人になりたい。しかし家庭環境や周囲の人間によって、そのささやかな願いさえ遠ざかっていきます。

追い詰められた住田は、自分自身を傷つけるような方向へ進んでしまいます。それでも周囲には彼を気にかける人がいて、完全に一人というわけでもありません。助けてほしいのに助けを受け入れられない、人間の複雑な心理が描かれています。

『ボーイズ・オン・ザ・ラン』で、人生が思い通りにならない苦しさや、何度失敗しても生き続けなければならない人間の姿に惹かれた人におすすめです。より重い作品ですが、「格好悪くても、どうにか前へ進もうとする」という部分には通じるものがあります。

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3.『アイアムアヒーロー』

『ボーイズ・オン・ザ・ラン』と同じ花沢健吾によるサバイバル漫画です。主人公の鈴木英雄は35歳の漫画家アシスタント。仕事にも自分自身にも自信を持てず、恋人との関係にも悩みながら、どこか停滞した毎日を送っています。

そんな英雄の日常は、街で発生した異変によって突然崩壊します。しかし彼は、危機が訪れたからといって急に勇敢なヒーローになるわけではありません。怖がり、迷い、失敗しながら、それでも生き延びようとします。

『ボーイズ・オン・ザ・ラン』で、花沢健吾が描く冴えない男性主人公の内面や劣等感に惹かれた人にはぜひおすすめしたい作品です。ジャンルは大きく違いますが、「普通の男が突然、自分自身を試される」という物語として読むと共通点が多くあります。

4.『宮本から君へ』

新井英樹による、新米営業マン・宮本浩が仕事や恋愛の中で何度も壁にぶつかりながら生きていく青年漫画です。宮本は不器用で要領もよくありませんが、目の前のことに対して異常なほど真っすぐにぶつかっていきます。

その真っすぐさは必ずしも周囲に理解されるものではなく、空回りすることもあります。それでも、格好悪くても自分の気持ちから逃げない宮本の姿には強烈なエネルギーがあります。仕事も恋愛も、簡単な成功物語として描かれません。

『ボーイズ・オン・ザ・ラン』で、情けない自分を変えるために田西が必死に戦う姿に熱くなった人には特におすすめです。スマートに勝つ主人公ではなく、泥だらけになりながら自分の人生をつかもうとする男を描いた作品として非常に相性があります。

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5.『ルサンチマン』

花沢健吾による、現実の人生に希望を見いだせない男性と仮想現実をめぐるSF青春漫画です。主人公は、仕事にも恋愛にも恵まれず、自分に強いコンプレックスを抱えています。そんな彼が、現実とは違う自分になれる仮想世界へと惹かれていきます。

理想の自分になりたい、女性から愛されたい、現実から逃げたい。そんな欲望がかなり生々しく描かれています。しかし、どれほど理想的な世界へ逃げ込んでも、現実の自分自身から完全に逃れることはできません。

『ボーイズ・オン・ザ・ラン』で、男性の劣等感や恋愛への欲望をきれいに飾らず描いているところが好きな人におすすめです。同じ花沢健吾作品の中でも、冴えない男の痛々しさと「それでも誰かに認められたい」という感情を強く味わえる一作です。

まとめ

『ボーイズ・オン・ザ・ラン』は、仕事にも恋愛にも自信を持てない田西敏行が、失敗や挫折を繰り返しながら自分の人生と向き合っていく物語です。主人公は何度も格好悪い姿をさらします。それでも、格好悪いまま逃げずに戦おうとするからこそ、いつしか田西を応援したくなります。

孤独な男の人生再出発なら『わにとかげぎす』、絶望の中でも生きようともがく青春なら『ヒミズ』がおすすめです。花沢健吾らしい冴えない主人公をもっと読みたいなら『アイアムアヒーロー』、泥臭く人生へぶつかる熱量なら『宮本から君へ』、劣等感や恋愛への欲望をさらに掘り下げた作品なら『ルサンチマン』も楽しめます。

何かに挑戦したからといって、必ず勝てるわけではありません。好きな人に振り向いてもらえるとも、努力が報われるとも限らない。それでも「このままでは終わりたくない」と走り出す。『ボーイズ・オン・ザ・ラン』で、そんな格好悪くて泥臭い人間の生き方に心を動かされた人なら、ぜひ今回紹介した5作品も読んでみてください。

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