『血を這う亡国の王女』が好きな人におすすめの漫画5選【復讐・王女・ダークファンタジー】

サスペンス

『血を這う亡国の王女』は、我妻幸による復讐ファンタジーです。主人公は、小国で家族とともに穏やかに暮らしていた王女・エビータ。しかし隣国による突然の侵攻によって故郷を奪われ、家族も目の前で殺されてしまいます。

ただ一人生き残ったエビータを待っていたのも救いではありませんでした。娼館へ売られた彼女は、王女としての名前を捨て、娼婦「プリシラ」として敵国の支配下で生き延びることになります。

それでもエビータは屈服したわけではありません。長い時間をかけて情報や武器を集め、同じように虐げられてきた娼婦たちと手を組み、自分たちを支配する者への反逆を準備していきます。すべてを奪われた王女が泥の中を這うように生き延び、再び立ち上がる壮絶な復讐譚です。

『血を這う亡国の王女』の魅力とは?

本作の最大の魅力は、エビータの復讐が決して爽快なだけのものとして描かれていないことです。国を奪われ、家族を殺され、自身も尊厳を踏みにじられた彼女には、復讐するだけの十分すぎる理由があります。

しかし敵を倒そうとすれば、また誰かが傷つく。仲間を救おうとすれば、復讐のために得られる絶好の機会を失うこともある。物語が進むほど、エビータは「復讐」と「守りたい命」の間で何度も選択を迫られます。

特に印象的なのが、娼館で出会った女性たちとの関係です。エビータだけが特別な英雄として立ち上がるのではなく、虐げられていた女性たち自身が武器や情報を集め、一致団結して娼館街からの脱出へ挑みます。

そのため本作は、一人の王女が王座を取り戻すだけの物語ではありません。自由を奪われた人々が、自分たちの人生を取り戻そうとする反逆の物語でもあります。

さらに、エビータは元王女という身分だけで敵へ立ち向かえるわけではありません。亡国の王女となった彼女には軍隊も権力もなく、自分が生き延びてきた経験や人脈を武器にするしかありません。

第5巻では、ハリ王族を淘汰するため、エビータは再び高級娼婦として王族に近い要人へ接近する道さえ選びます。自分自身を傷つけることになっても目的へ進もうとする姿からは、復讐への執念と同時に危うさも感じられます。

一方で、エビータの人生には彼女を支える人々も存在します。逃亡の中で命をつなぐジエゴや、ともに自由を求めた仲間たちとの関係があるからこそ、「復讐のためならすべてを捨てられるのか」という葛藤が生まれます。

物語は娼館街からの脱出だけでは終わらず、やがて亡国となった祖国やハリ王族との戦いへと広がっていきます。第二皇子レイを追って旧バタリア城へ潜入するなど、序盤の閉ざされた娼館から国家を巻き込む復讐劇へスケールアップしていくのも見どころです。

『血を這う亡国の王女』は「ガンガンONLINE」で連載中。2023年7月にコミックス第1巻が発売され、2026年2月には第6巻が発売されています。2026年9月現在も物語は続いています。

ここからは、『血を這う亡国の王女』のように、すべてを奪われた者の復讐、王族を巡る権力争い、過酷な世界を生き抜く主人公、そして運命へ抗うダークファンタジーを楽しめる漫画を中心に5作品紹介します。

おすすめの作品を詳しく紹介

1.『女王の花』

和泉かねよしによる、王族の少女が過酷な運命へ立ち向かう歴史ファンタジーです。主人公・亜姫は王女でありながら冷遇され、母とともに宮廷の片隅で暮らしていました。そんな彼女が奴隷の少年・薄星と出会ったことで、運命が大きく動き始めます。

王族として生まれても、それだけでは自分の身も大切な人も守れない。亜姫は権力争いの中で多くのものを失いながら、それでも自分の国と人生を取り戻すため成長していきます。

『血を這う亡国の王女』で、王女という立場から転落した女性が、自らの力で再び立ち上がる物語に惹かれた人には特におすすめです。政治、戦争、愛情、喪失が複雑に絡み合う重厚な物語を楽しめます。

2.『王の獣』

藤間麗による、王宮を舞台にした復讐ファンタジーです。人間から差別される半人半獣の「亜人」である藍月は、殺された双子の弟の真相を突き止めるため、男と偽って王宮へ入り込みます。

復讐のために敵の懐へ潜り込む藍月ですが、王族との関係が深まるにつれて、最初に思い描いていた敵と味方の境界も少しずつ変化していきます。

『血を這う亡国の王女』で、身分を隠しながら王族へ近づき、自分からすべてを奪った者たちへ復讐しようとする展開が好きだった人におすすめです。宮廷の陰謀と個人的な復讐が結びついているところにも共通する面白さがあります。

3.『ベルセルク』

三浦建太郎によるダークファンタジーです。巨大な剣を背負った剣士・ガッツが、使徒と呼ばれる異形の怪物たちを倒しながら旅を続けます。

ガッツもまた、信じていたものを奪われ、強烈な復讐心を抱えて生きる人物です。しかし旅の中で守りたい存在や新たな仲間が増えるにつれて、復讐だけに人生を捧げることが本当に正しいのかという葛藤も生まれていきます。

『血を這う亡国の王女』で、凄惨な世界でも生きることを諦めず、自分からすべてを奪った相手へ向かっていく主人公が好きだった人におすすめです。救いの少ない世界だからこそ、人と人とのつながりが強く印象に残ります。

4.『魔女と野獣』

佐竹幸典によるダークファンタジーです。魔女に強烈な恨みを持つギドと、魔術師アシャフが、各地で発生する魔術事件を追いながら旅をしていきます。

美しい幻想世界の中には、魔女や呪い、死霊術といった危険な力が存在し、物語はかなり容赦のない展開を見せます。復讐心に突き動かされるギドの激しさも作品の大きな特徴です。

『血を這う亡国の王女』で、美しさと残酷さが同居する世界観や、恨みを簡単には手放せない主人公に惹かれた人におすすめです。復讐を原動力にしながら巨大な世界へ踏み込んでいくところもよく似ています。

5.『進撃の巨人』

諫山創によるダークファンタジー漫画です。巨大な壁の中で暮らしていたエレン・イェーガーは、巨人によって故郷と大切なものを奪われたことから、巨人を一匹残らず駆逐することを誓います。

当初は人類と巨人の戦いだった物語が、やがて国家、民族、歴史、憎しみの連鎖を巡る巨大な物語へ変化していきます。そして復讐する側にも、復讐される側にもそれぞれの事情が存在することが見えてきます。

『血を這う亡国の王女』で、祖国と家族を奪われた主人公の復讐や、個人の怒りが国家同士の戦いへ広がっていくところが好きだった人におすすめです。「敵を倒せばすべて終わるのか」という問いまで踏み込んだ物語を楽しめます。

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まとめ

『血を這う亡国の王女』は、我妻幸による壮絶な復讐ファンタジーです。隣国の侵略によって国と家族を奪われた王女・エビータが、娼婦プリシラとして生き延びながら仲間を集め、自分たちを虐げてきた者への反逆を始めます。

没落した王女が権力へ立ち向かう物語なら『女王の花』、身分を隠して王族へ復讐するなら『王の獣』がおすすめです。過酷な世界と復讐への執念なら『ベルセルク』、美しく残酷なダークファンタジーなら『魔女と野獣』、故郷を奪われた者の怒りが国家規模の戦いへ広がる物語なら『進撃の巨人』も相性のいい作品です。

何もかも奪われても、エビータから生きる意思まで奪うことはできませんでした。王女という地位さえ失った彼女が、自分に残されたものを一つずつ使って再び敵へ向かっていく。『血を這う亡国の王女』の凄惨さと美しさ、復讐だけでは終わらない人間ドラマに惹かれた人なら、今回紹介した5作品にも心をつかまれるはずです。

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