ずっと一緒に育ってきた親友が、ある日を境に「別の何か」になっていた――。そんな不気味な状況から始まる青春ホラーが『光が死んだ夏』です。
閉塞感のある田舎の集落で暮らす高校生・よしきと光。二人は幼いころから一緒に過ごしてきた親友でしたが、山で行方不明になった光が戻ってきてから、よしきは彼に強烈な違和感を覚えるようになります。
見た目も声も記憶も、目の前にいるのは間違いなく光。しかし、よしきは「光」がもう以前の光ではないことに気づいてしまいます。
今回は『光が死んだ夏』が好きな人におすすめしたい漫画を5作品紹介します。怪異、青春、田舎の閉塞感、日常へ入り込む不気味な存在など、本作と共通する魅力を持った作品を中心に選びました。
『光が死んだ夏』の魅力とは?
『光が死んだ夏』最大の魅力は、怪異そのものの恐ろしさと、よしきと「光」の複雑な関係が切り離せないものとして描かれているところです。
山から帰ってきた光は、以前とほとんど変わっていません。普通に会話をして、笑って、よしきとの思い出まで覚えています。
それでも、よしきには分かってしまいます。目の前にいる存在は、大切な親友だった光とは違う「ナニカ」だと。
普通のホラーなら恐ろしい存在から逃げるところですが、よしきは簡単には離れられません。本物の光ではないと理解しながらも、その姿や声を持った存在を拒絶しきれない。この感情が本作独特の緊張感を生み出しています。
さらに、セミの声が響く夏の田舎、山や古い家々、狭い人間関係といった舞台も印象的です。明るい夏の日常のすぐ隣に説明できない異常が存在していることで、不気味さがより際立っています。
単純に「怖い怪物が出てくる漫画」ではなく、大切な人を失うことや、それでもその人の姿を求めてしまう感情まで描かれるところが『光が死んだ夏』の大きな魅力です。
おすすめの作品を詳しく紹介
1.『写らナイんです』
学生たちの青春と怪異を組み合わせた漫画をもっと読みたい人におすすめなのが『写らナイんです』です。
オカルトが大好きなのに、なぜか霊から避けられてしまう橘みちる。一方、黒桐まことは本人が望んでいないにもかかわらず怪異を引き寄せてしまいます。
『光が死んだ夏』よりもコメディ色が強い作品ですが、普通の学生生活のすぐそばに怪異が存在する世界観や、登場人物同士の関係と怪異が絡み合っていくところには共通する魅力があります。
『光が死んだ夏』を読んだあと、もう少し軽い雰囲気で青春と怪異を楽しみたい人におすすめです。

2.『見える子ちゃん』
日常生活へ突然恐ろしい怪異が入り込んでくるタイプのホラーが好きなら、『見える子ちゃん』もおすすめです。
普通の女子高生・四谷みこは、ある日を境に異形の存在が見えるようになってしまいます。しかし怪異に気づかれないため、どれだけ恐ろしいものが目の前に現れても徹底して「見えていないふり」を続けます。
学校や電車、自宅といった普段なら安心できる場所に怪異が当たり前のように存在することで生まれる不気味さが魅力です。
『光が死んだ夏』の「いつもの日常が少しずつおかしくなっていく感覚」が好きな人なら楽しみやすい作品です。
3.『青野くんに触りたいから死にたい』
大切な相手と怪異が切り離せなくなっていく物語が好きなら、特におすすめしたい作品です。
刈谷優里は、初めてできた恋人・青野龍平を事故で失ってしまいます。しかし絶望する優里の前に、幽霊となった青野が再び現れます。
大好きだった相手ともう一度一緒にいられる――一見すると奇跡のようですが、物語が進むにつれて青野の存在には不穏な部分が見え始めます。
「大切な人の姿をしているけれど、本当に以前と同じ存在なのか」という恐怖と、それでも離れたくないという感情が絡み合うところは『光が死んだ夏』との共通点がかなり多いです。
怪異だけでなく、人を好きになる感情そのものが怖さにつながっていくホラーを読みたい人におすすめです。
4.『サマータイムレンダ』
夏の閉鎖的な土地を舞台にした怪異とサスペンスが好きなら、『サマータイムレンダ』がおすすめです。
幼なじみ・潮の訃報を聞き、故郷の日都ヶ島へ戻ってきた網代慎平。しかし潮の死には不可解な点があり、さらに島では人間そっくりの「影」にまつわる奇妙な噂が広がっていました。
夏、海、故郷という明るい風景の裏側で、少しずつ異常な出来事が明らかになっていく構成が魅力です。
『光が死んだ夏』の田舎特有の閉塞感や、人間そっくりの異質な存在、じわじわと広がる謎が好きな人には特に相性のいい作品です。

5.『裏バイト:逃亡禁止』
説明できない怪異そのものの怖さをもっと味わいたいなら、『裏バイト:逃亡禁止』がおすすめです。
高額報酬を目的に、さまざまな「裏バイト」へ挑む黒嶺ユメと白浜和美。しかし彼女たちが紹介される仕事には、普通では考えられない危険な怪異が潜んでいます。
登場する怪異についてすべてが丁寧に説明されるとは限らず、「結局あれは何だったのか」と分からないまま終わる恐怖も本作の特徴です。
人間には理解できない何かが日常のすぐそばに存在しているという感覚は、『光が死んだ夏』の怪異描写が好きな人にもぴったり。
より純粋に怖い漫画を読みたい人におすすめです。
『光が死んだ夏』好きならこの5作品がおすすめ
『光が死んだ夏』は、親友の姿をした「ナニカ」という強烈な設定だけでなく、青春、喪失、田舎の閉塞感、そして人間には理解できない怪異を組み合わせた作品です。
青春と怪異をもう少しコミカルに楽しみたいなら『写らナイんです』、日常へ怪異が入り込んでくる怖さなら『見える子ちゃん』がおすすめです。
特に「大切な人と怪異が重なってしまう」という部分に惹かれた人には『青野くんに触りたいから死にたい』がぴったりです。
夏の閉鎖的な土地と人間そっくりの異質な存在が好きなら『サマータイムレンダ』、正体の分からない怪異そのものをもっと楽しみたいなら『裏バイト:逃亡禁止』もおすすめです。
ただ怖いだけではなく、登場人物の感情や関係まで心に残るホラー漫画を探している人は、ぜひ今回紹介した5作品もチェックしてみてください。

