好きな人と一緒にいたい。幸せになりたい。そんな当たり前の願いが、どうしてこんなにも難しいのか――。
浅野いにおの『おやすみプンプン』は、少年・プンプンの成長とともに、恋愛、家族、人間関係、孤独、生きづらさを描いていく青春ヒューマンドラマです。
少年時代の淡い恋から始まった物語は、プンプンが成長するにつれて少しずつ重さを増し、人間の弱さや醜さまで容赦なく描いていきます。
今回は『おやすみプンプン』が好きな人におすすめしたい、青春・孤独・心の闇・生きづらさを描いた漫画を5作品紹介します。
『おやすみプンプン』の魅力とは?
『おやすみプンプン』の大きな魅力は、一人の少年が大人になっていく過程を、きれいな青春物語だけでは終わらせずに描いているところです。
主人公のプンプンは、転校してきた少女・田中愛子に一目惚れします。
子どものころに抱いた恋心や将来への夢。しかし成長するにつれて、家族の問題や人間関係、恋愛、将来への不安など、現実のさまざまな問題に直面していきます。
「こうすれば幸せになれる」という分かりやすい答えが用意されているわけではありません。
間違った選択をしたり、誰かを傷つけたり、自分自身の感情に振り回されたりしながら、プンプンの人生は思いもよらない方向へ進んでいきます。
また、現実的に描き込まれた世界の中で、プンプン自身が独特な姿で表現されていることも本作を象徴する特徴です。
青春の美しさだけではなく、孤独や後悔、人間の弱さまで描き切る。その強烈な読後感こそが、『おやすみプンプン』が長く記憶に残る理由のひとつです。
おすすめの作品を詳しく紹介
1.『ソラニン』
『おやすみプンプン』を読んで浅野いにお作品そのものに惹かれたなら、『ソラニン』は特におすすめです。
大学を卒業して社会人になった芽衣子と、音楽への夢を捨てきれない恋人・種田を中心に、仕事や恋愛、音楽、将来への迷いが描かれます。
「今のままでいいのか」と思いながらも、人生を大きく変えることは怖い。そんな若者の揺れる感情がリアルに描かれています。
『おやすみプンプン』ほど重く破滅的な物語ではありませんが、人間の弱さや夢と現実の間にある苦しさを描くところには共通するものがあります。
浅野いにおが描く、少し苦くて生々しい青春をもっと読みたい人におすすめです。

2.『素晴らしい世界』
浅野いにおが描く日常や生きづらさが好きなら、『素晴らしい世界』もおすすめです。
夢や仕事、人間関係など、それぞれ異なる問題を抱えながら生きている若者たちの物語が描かれます。
人生が突然すべてうまくいくような劇的な展開ではなく、迷ったり傷ついたりしながら、それでも日常を生きていく人々の姿が印象的です。
複数の物語を通して一つの世界が形作られていく構成も面白く、浅野いにお作品らしい独特の余韻を味わえます。
『おやすみプンプン』の何気ない日常の中にある孤独や不安の描写が好きだった人におすすめです。

3.『惡の華』
思春期の衝動や自己嫌悪、人間の内側にある危うさを描いた漫画なら、押見修造の『惡の華』がおすすめです。
文学を好む中学生・春日高男は、ある行動をクラスメイトの仲村佐和に目撃されたことで、彼女との奇妙な関係に巻き込まれていきます。
自分は何者なのか。周囲とは違う特別な人間なのか。そんな思春期特有の自意識が、登場人物たちを次第に追い詰めていきます。
恋愛も決してきれいなものとしてだけ描かれず、執着や自己嫌悪、逃避などさまざまな感情が絡み合います。
『おやすみプンプン』の苦しい心理描写や、登場人物が自分自身によって追い詰められていく展開が好きな人におすすめです。

4.『ヒミズ』
青春漫画でありながら、希望だけではない人間の暗い部分まで描いた作品を読みたいなら、古谷実の『ヒミズ』がおすすめです。
主人公の住田祐一は、「普通」の人生を送ることを望んでいる少年です。
しかし家庭環境や周囲の人間との関係によって、そのささやかな願いさえも次第に崩れていきます。
社会や他人だけではなく、自分自身からも逃げられない苦しさが描かれ、物語は重い方向へ進んでいきます。
『おやすみプンプン』で、環境や人間関係によって一人の少年の人生が変化していく部分が印象に残った人には刺さりやすい作品です。
5.『ルックバック』
短い物語の中で、青春や喪失、後悔を強烈に描いた漫画を読みたいなら、藤本タツキの『ルックバック』がおすすめです。
漫画を描くことに自信を持っていた藤野は、不登校の同級生・京本が描いた漫画を目にしたことをきっかけに、自分自身の才能と向き合うことになります。
やがて漫画を通じて二人の人生が交わり、創作する喜びや努力だけではなく、人生の残酷さや後悔まで描かれていきます。
限られたページ数の中で登場人物の人生が凝縮されており、読み終わったあとにもさまざまな感情が残ります。
『おやすみプンプン』のように、読み終えてからも簡単には忘れられない漫画を探している人におすすめです。

『おやすみプンプン』好きにおすすめの漫画まとめ
『おやすみプンプン』が好きな人には、青春の楽しさだけではなく、孤独や後悔、生きづらさ、人間の弱さまで踏み込んだ漫画がおすすめです。
- 浅野いの作品で夢と現実を描いた青春なら『ソラニン』
- 日常に潜む不安や孤独なら『素晴らしい世界』
- 思春期の自意識と心の闇なら『惡の華』
- 追い詰められていく少年の青春なら『ヒミズ』
- 青春と喪失を凝縮した物語なら『ルックバック』
特に『ソラニン』と『素晴らしい世界』は同じ浅野いにお作品なので、『おやすみプンプン』で作者独特の人物描写や空気感に惹かれた人にはおすすめです。
『おやすみプンプン』を読んで、もっと人間の弱さや青春の苦さ、生きづらさまで描いた漫画を読みたくなった人は、気になった作品から読んでみてください。

